日は、夏日のような太陽の輝きでとても良い天気で暑いです。でも、明日からは天気が崩れるとのこと。

そう、6月。「梅雨」です。
この時期は、梅の実の収穫期。梅の実を濡らす雨ということで「梅雨」としたと聞きます。私たち日本人の感性と情緒、そして一寸した洒落っ気に感激します。

とは言っても、ジメジメ、ムシムシのこの時期には閉口しませんか。そして、何か憂鬱で、気怠く、陰気な感じはありませんか。
でも、皆さん、この歌ご存じですよね。

 ♫ 雨々降れ降れ母さんが、蛇の目でお迎え嬉しいな、ピチピチ、チャップチャップ、ランランラン ♫

子どもたちの小さな喜びかもしれませんが、楽しく明るい雨の日を歌っていると思います。子どもたちにとっての嬉しさは、お母さんのお迎えにあるとは思います。

かし、この情景をイメージする私には、雨を遊ぶ子どもの姿と、蛇の目傘が見えています。色とりどりで大小の「蛇の目」の模様が並び、そして動いています。見落としてはならないものに、長靴もあります、楽しく明るい雨の日が見えてきませんか。
最近は、蛇の目傘を目にすることがなくなったように思います。
そして長靴も。蛇の目模様は、傘の形にお似合いの模様。
長靴は、雨と遊ぶ大切な履き物。
自分の気持ちを楽しく明るくするだけでなく、みんなも楽しくなるように、雨の日をデザインしていたように思えます。

近は、蛇の目模様に変わり、いろんな色、模様や形の傘がたくさんありますが、ずぶ濡れにならないような雨の日には、傘もささずに歩く若者が増えているように思いませんか?手軽で安く、コンビニで手にすることができる透明のビニール傘がとても多くはありませんか?

さんは、どんな傘をお使いですか?
長靴には滅多に出会えませんがお持ちですか?
コンビニにある透明なビニール傘。
あの傘が楽しい傘になったら雨の日が変身するのではないでしょうか。
透明で明るく、前が見え、安い、という機能と利点は残しながら、透明なカラーシートを貼れば、オリジナルの傘を簡単に作ることができます。
カラフルな傘の花が、いっぱい外に咲いたとしたら、雨の日が楽しくなると思いませんか。
雨という自然の良さも感じることができるのではないでしょうか。長靴にカラーシートを貼ったらもっと・・・。

雨の日をデザイン。

こんな視点でのデザインもあるのではないかと、私は考えています。

●記:橋ヶ谷佳正「デザイン・レター〜雨の日をデザイン〜」
2008年6月15日

橋ヶ谷佳正(はしがや・よしまさ)

岡山大学大学院 教授

[ 経歴 ]
静岡県生まれ。
1981年京都市立芸術大学専攻科修了後、沢村徹デザイン研究所、西脇友一ヴィジュアルデザイン研究室、橋ヶ谷タイポグラフィ研究室を経て、1993年より現職。
NPO法人日本タイポグラフィ協会会員

[ 受賞歴 ]
ラハチ国際ポスタービエンナーレ、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ等に入選。岡山後楽園築庭300年記念シンボルマーク公募展奨励賞。水島港インターナショナルトレード協議会シンボルマーク最優秀賞。日本観光ポスターコンクール入選。
など。



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