2008年春夏はカラーがファッショントレンド全体の大きな要素となりました。この背景にはナチュラル志向エコマインドが素材や柄に反映されているといってよいでしょう。

具体的にはイエロー、レッド、ピンク、ブルーなどのクリアな美しい色彩と、癒されるような優しいトーンがコレクションに溢れました。つまり、植物、空などナチュラルなイメージがデザインに生かされ、色彩が大きく広がっているのです。

中でも目立っていたのはビビッドなイエロー(PANTONE®14-0852 Freesia)です。他には花を連想するバリエーション豊かなピンク系も気になるカラーでした。

全体的には彩度の高い鮮やかな色彩が目立ちますが、高明度なライトピンク(PANTONE®13-2805 Pink Mist)やライトオレンジ(PANTONE®15-12-39 Cantaloupe)なども外せないでしょう。また彩度の高い鮮やかなピンク(PANTONE®17-3020 Spring Crocus)やレッド(PANTONE®18-1652 Rococo Red)はアクセントカラーとしても重要になると思います。

そして今シーズンもう一つの重要なキーワードが「エアリー」

色彩ではブルー系です。朝靄の空を連想するライトブルーから、リゾート地のぬけたような青空である明るいブルー(PANTONE®19-4049 Snorkel Blue)、夜空と星をイメージする深いブルーとシルバーやゴールドなど空の移り変わりや空気感を色彩で表現しています。

“色彩豊かで軽やかなエコロジー”がイメージとなる2008年春夏です。

●写真提供:株式会社フォルトナボックス

布矢千春(ぬのや・ちはる)

ファッション・ジャーナリスト
株式会社フォルトナボックス代表取締役
日本流行色協会専門委員


著書
「色彩上手」(はまの出版)、
「ニューヨークへ行く前に読む」(繊研新聞社)等

ニューヨークと東京を中心としたファッションとファッション雑貨の情報の分析や、色彩や広告のコンサルタント業をこなす傍ら、ファッション雑誌への執筆、テレビでのコメンテーターや各種企業での講演多数。


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・2007年春夏トレンド