2007年春夏は、ダークな色合いが溢れた秋冬から一転し、光沢感や軽やかな色調が注目されるシーズンとなります。
時代は重く暗いものを脱ぎ捨てて、自然で優しい、穏やかな気分に浸りながら、未来を志向しているようです。

カラーは2006年春夏の白、2007秋冬のグレーを継続させながら、シルバーなど光を放つ未来志向のカラーが話題となりそうです。

テーマは「フューチャー・エレガンス」

特にシルバーはモノトーンに比べて洋服での表現は少数になりますが、バッグやシューズ、アクセサリーなどファッション雑貨では、昨年までのゴールドに変わり、新鮮味を放っています。

また、白の持つクリーンなイメージはロマンチックなスタイリングにも使われていますが、60年代調などのレトロやスポーツやフューチャーミックスなどシャープなスタイリングがトレンドとなりそうです。

黒はイブニングトレスなどでも存在感を示し欠かせない定番色。そしてブラック&ホワイトの配色はミニマルでスポーティなスタイリングやプリントで使われています。
グレーはフラノやツイードをイメージする秋冬のグレーから軽やかなライトグレーへとトーンが明るくなりました。コーティングやラメなど光沢素材を用いたものはライトグレーというよりホワイトシルバーという表現が適切で、未来的なイメージが広がっています。

「フュチャー・エレガンス」のカラーグループをこの春夏どう取り入れるか、今から頭の片隅に入れておいてください。

●写真提供:株式会社フォルトナボックス

布矢千春(ぬのや・ちはる)

ファッション・ジャーナリスト
株式会社フォルトナボックス代表取締役
日本流行色協会専門委員


著書
「色彩上手」(はまの出版)、
「ニューヨークへ行く前に読む」(繊研新聞社)等

ニューヨークと東京を中心としたファッションとファッション雑貨の情報の分析や、色彩や広告のコンサルタント業をこなす傍ら、ファッション雑誌への執筆、テレビでのコメンテーターや各種企業での講演多数。


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・2008年春夏トレンド